【広州交易会2026】現地レポート第2部:名刺交換はもう古い?WeChatが変えた商談の流儀
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「魔のゲート」での大混乱を切り抜け、ようやく一歩足を踏み入れた展示会場。しかし、そこに広がっていたのは、私の記憶にあるかつての交易会とは全く別世界の光景でした。今の中国ビジネスの最前線が突きつけてくる、ビジネススタイルの変化です。

会場を見渡してまず目に飛び込んできたのは、各ブースの洗練された展示ブースです。コロナが明けた頃は少し華やかさに欠ける印象でしたが、今は違います。そしてどの企業も多くのスタッフを配備し、統一感のある服装に身を包み、しっかりと自社のPRに励んでいます。これも、過去に経験した、「会社による対応の差」がなくなっていました。各社の広州交易会にかける並々ならぬ覚悟が伝わってきます。しかし、本当の驚きはその商談の「中身」にありました。

そこには、日本企業が慣れ親しんだ「名刺交換」というビジネススタイルはもう存在しません。厚い名刺入れを取り出すスタッフは皆無で、誰もがスマートフォンを差し出し、WeChatのQRコードを読み合う。その瞬間に担当者と直通で繋がり、即座に商談がスタートします。重い紙のカタログを持ち歩く時代も終わり、商品情報はすべて電子データへと移行。その場ですぐに共有され、帰国後に情報を整理するといったタイムラグは、もはや過去のものとなっていました。このビジネススタイルが、以前よりも浸透していました。
彼らのコミュニケーション能力の高さも、特筆すべき点です。中国語はもちろん、英語を自在に操るスタッフたちが、中東や欧米から集まったバイヤーと対等に渡り合う姿が会場のあちこちで見られました。そんな中で私が強く感じたのは、かつて主役だった日本人見学者の少なさと、対照的に急増している中東系バイヤーたちの熱気です。会場は、彼らの積極的な交渉姿勢と、それに応える中国企業の凄まじいスピード感で溢れかえっていました。

この激変する現場で改めて確信したのは、「言葉の壁を越えた直接交渉」の重要性です。私自身、中国語でのビジネス会話を武器に、現地のスタッフと通訳を介さずダイレクトに言葉を交わします。WeChatで繋がった瞬間に相手の懐に飛び込み、本音の条件を引き出す。この「直接対話」からしか得られない生の情報こそが、日本企業が求める真のイノベーションを発掘するための鍵だと私は考えています。
「とりあえず検討します」と名刺を置くスタイルが通用しなくなったこの場所で、世界に負けない商品の開発スピードを提供すること、メイド・バイ・ジャパンとして食らいついていくこと。それこそが現地で感じたtable designイノベーション部に課せられた使命だと改めて決意しました。
注釈:WeChat(微信)は、中国で欠かせない「生活インフラ」アプリです。 LINEのようなチャット機能に加え、QRコード決済(WeChat Pay)、出前、配車、公共料金の支払いなど、あらゆるサービスがこのアプリ一つに集約されています。

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